不妊専門鍼灸院 銀のすずは
自然妊娠から体外受精までの方を専門でサポートしています。

活性酸素ってどうなんだ?


活性酸素について、皆さんはどのようなイメージを持っていますか?
分子で表すと、酸素はO2、活性酸素はO2などとなります。
少しだけ化学のお話をしますと、そもそも分子はお互いに結合することで安定して存在しています。
酸素分子(O2)は酸素原子である(O)が2個結びついて1個の酸素分子を形成しています。
酸素原子(O)は、中心に1個の原子核があり周りを8個の電子が回っています。酸素原子の場合は図のように電子の軌道が2つあり、この8個の電子は内側の軌道に2個、外側の軌道に6個が回っているという構造をしています。

活性酸素、不妊、卵子の老化

通常、電子は2個のペアで存在しており、これが最も安定的な形だとされています。
ところが酸素原子の外側の軌道を回る6個の電子のうち、2個だけはペアになる相手を持っていないのです。そこで同じようにペアのいない他の酸素原子の外側の2個の電子とくっついて2つの酸素原子が結びつき、酸素分子(O2)となって安定するのです。

しかし何かのはずみで、ペアの組めない電子(不対電子)ができてしまいます。それでもなんとか相手を見つけて安定するために、他の物質の分子から電子を掠奪しようと襲いかかります。
これが活性酸素です。
つまり、酸素がペアとなる電子を欠いて掠奪者となったものが活性酸素なのです。
この掠奪者のことを”フリーラジカル”といいます。

一方、掠奪された側も活性酸素となって他の分子を襲って電子を掠奪します。
するとまた掠奪された分子が他の分子から電子を奪い取ります。こうして、次から次へと連鎖反応を起こしていくのです。
こうして電子が奪われていくことを”酸化”と呼び、逆に電子を奪って安定することを”還元”と呼んでいます。

つまり、フリーラジカルが他の分子から電子を奪いとることにより、その分子は「酸化」してしまうのです。
酸化というのは、金属のサビや食べ物の腐敗のことです。体の酸化が進むと、鉄と同じように細胞をサビつかせるのです。

"活性酸素”は非常に過激で酸化力が強烈なのです。体内の細胞を次から次へと酸化していく超酸化力によって、私たちの体内にある血管や臓器がボロボロになっていきます。

病気の90%は活性酸素によるものだといわれています。
私たち人間は生命を維持するため、空気を吸って生活しています。この空気の21%は酸素です。毎日500 リットルほどの酸素を消費しています。
この中の2-3%が活性酸素になり、正常な酸素から電子を奪い取ります。奪い取られた酸素もまた活性酸素となり、他の正常な酸素を攻撃して電子を奪い取りにいくのです。このような連鎖反応をどんどん起こして、活性酸素が一気に増えていくのです。

なぜ呼吸をするのかというと、生命維持に必要なエネルギーを得るためです。
細胞内のミトコンドリアで絶えず酸素を消費して、エネルギーを作っているのです。
この過程でも一部で活性酸素が作られて「免疫機能」の一端を担っています。
血液中の白血球が体内に侵入したウィルスや細菌を分解するための武器として使われます。
また、日々体中で発生する「がん細胞」を攻撃・破壊してくれます。
体内で余った水素と結合して水をつくる働きもしています。

免疫機能について見ると、活性酸素が良いものに見えてきますよね。
もちろん無くてはならないものですが、現代は「活性酸素の過剰」が起こっているのも事実です。

酸素に触れたものは、必ず酸化していきます。

ここで妊活にお話を戻します
妊活において質を上げたい卵子や、精子も私たちの細胞の一部であり、DNA情報が埋め込まれてます。
卵子や精子がサビているなんて考えられないですよね。
何と言っても抗酸化が必要になってきます。

これ以上増やさないためにも活性酸素の発生源となるものはできるだけ避けましょう。
紫外線、たばこ、電磁波などの活性酸素を過剰に発生させる原因には近づかず、対策をすることです。
呼吸によって取り込んだ酸素は、体内の通常の代謝活動の中で約2-3%%は活性酸素になると言われています。
ということは、激しい運動や有酸素運動はもってのほかです。
風邪をひいたり病気になっても、免疫機能が働くことで活性酸素が増えます。
他にも、大気汚染 や食品添加物、医薬品や放射線、ストレスなどの日々の環境でさえも活性酸素は増えてしまうのです。

活性酸素、抗酸化物質、精子の質、卵子の質

活性酸素を必要以上に増加させないためには?

まずは外からの有害物質を取り込まないようにしましょう。

例えば、、、
・タバコはなるべく吸わない。
・お酒を飲みすぎない。
・化学物質を含むものをなるべく口にしない。
・化粧品や洗剤などにも気を遣う。
・紫外線やX線などには対策を行う。
・薬を飲みすぎない。
・ストレス管理
・健康な身体の維持
などが挙げられますね。

実は私たちの体には、活性酸素の発生を抑えたり、活性酸素によるダメージを軽減させる機能もあります。
いわゆる抗酸化酵素と呼ばれるものが存在するのです。
カタラーゼ、ペルオキシダーゼ、スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)です。
カタラーゼは細胞小器官のペルオキシソームの中にあり、長鎖脂肪酸のβ酸化、コレステロールや胆汁酸の合成、過酸化水素(アミノ酸やプリンの代謝などで発生した活性酸素の一つ)の分解を行います。
ミトコンドリア内の電子伝達系ではスーパーオキシドアニオンO2が常に作られ、それをスーパーオキシドディスムターゼが過酸化水素に変換し、その後ペルオキシダーゼによって水に変えていきます。

必要最低限の活性酸素、つまりβ酸化やコレステロールや胆汁酸の合成、アミノ酸やプリンの代謝、電子伝達系などで発生したものは自分で処理できますが、それ以上の活性酸素は処理が追いつかず、DNAを傷つけてしまうということです。

対策として、抗酸化成分を積極的に摂りましょう。

抗酸化成分には、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンA、βカロテン、リコピン、グルタチオン、ポリフェノールなどがあります。

ショウガは最強の抗酸化物質と言われるものなので、食事に摂り入れることもおすすめです。